YAMAHA 03D

03D_1

03D_2

編集時使用しているデジタルオーディオミキサーです。
プロ用規格のAES/EBUディジタルI/Oカードを増設してあり、VTRをはじめCDやDAT等のディジタル音響機器とはデジタル接続してあります。

「デジタル接続なら音質は劣化しない・・・」 と "デジタル神話" を信じている方がいますが、デジタル接続やダビングも転送ワード長やディザリング処理等必要なパラメータを最適に設定しないと大きく音質が劣化します。
市販されているレーザーディスクでも、セッティングが悪くてひどい音質になっている物を聴くことがあります。
ビデオハウスでは各機器のI/O条件をしっかりと把握し、最適な接続条件にてセッティングしてありますので、何もわからずすべて "標準設定" で接続している編集設備より高音質です。

この03Dというミキサーは廉価版デジタルミキサーの定番で、35万円ながら
アナログ16CH
4BUS OUT
1STEREO OUT
が標準スペックというミキサーです。

デジタルミキサーならではの多機能も特徴で、STEREO_OUT以外にも各チャンネル毎にダイナミクス系の設定やエフェクトの設定が音質の劣化を考えずにおこなえます。
MIDIのタイムコード入力もありますので、その気になればプロヒデオ機器で標準となっているSMPTEタイムコードとの同期運転も可能となります。

いい事ずくめの様なミキサーに見えますが、使用してみてると以下の欠点を感じます。
1.細かい設定はディスプレイ上に呼び出してこないと変更できない
2.ムービングフェーダーの操作フィーリングは最悪
特に "1" についてはアナログミキサーに慣れている人にとっては深刻な問題です。リアルタイムにマニュアル操作を要求される現場では使用できないでしょう。
"2" の操作フィーリングの悪さについては安いミキサーでは仕方がないのかもわかりませんが、フェーダーを動かすと "ゴリゴリゴリ" と細かい引っかかりのある様な感じがあります。(3〜4万円のミキサーはみんなこんなもんですが・・・)
プラスチックフェーダーの "ウェットタッチフィーリング" を知っている人には我慢できないでしょう。